恋春 その7 [恋春]
「最初の1ページ」
街を照らしていた桜も散り
葉桜となっていた。
そんなある日、2人はアルバムを買いに出かける。
初めて2人が一緒に入った写真を、入れるため・・・
彼女が、一つのアルバムを手に取り
「コレ。かわいいね~
色違いで2冊買っちゃう?」
と彼に問いかけると彼は
「とりあえず、1冊でいいんじゃない?」
冷めた感じで答えた。
彼女は
「ん~じゃぁ~どっちにしようかなぁ~」
と真面目な顔をして迷ってしまう。
迷ってる彼女を見た彼が軽く笑いながら
「これから、写真は増えて行くんだから
2冊目に、もう片方を買えばいいよ。」
その言葉を聞いた彼女は
「そうだね!」
と言い終わるより早くピンクのアルバムを選んだ。
桜をバックに2人で撮った一枚目の写真が
ピンクのアルバムの1ページ目に入った。
写真を改めて見て彼女は笑い
彼は、まだ写真の入ってないページに
これからの2人を想像して笑っていた。
街を照らしていた桜も散り
葉桜となっていた。
そんなある日、2人はアルバムを買いに出かける。
初めて2人が一緒に入った写真を、入れるため・・・
彼女が、一つのアルバムを手に取り
「コレ。かわいいね~
色違いで2冊買っちゃう?」
と彼に問いかけると彼は
「とりあえず、1冊でいいんじゃない?」
冷めた感じで答えた。
彼女は
「ん~じゃぁ~どっちにしようかなぁ~」
と真面目な顔をして迷ってしまう。
迷ってる彼女を見た彼が軽く笑いながら
「これから、写真は増えて行くんだから
2冊目に、もう片方を買えばいいよ。」
その言葉を聞いた彼女は
「そうだね!」
と言い終わるより早くピンクのアルバムを選んだ。
桜をバックに2人で撮った一枚目の写真が
ピンクのアルバムの1ページ目に入った。
写真を改めて見て彼女は笑い
彼は、まだ写真の入ってないページに
これからの2人を想像して笑っていた。
恋春 その6 [恋春]
付き合い始めて間もない春。
2人は、桜を見に行く約束をしていた。
昨日より、今日…2人の間に新しい展開が必要だろうと
思いながら彼は彼女を待っていた。
彼の姿を見つけた彼女は、挨拶より先に
『桜、咲いたね~。』 と言いながら彼の所まで、やって来た。
彼は、落ち着いた様子で『うん。咲いたね。向こうまで歩こうか?』
そう言うと、彼女は一言『そうだね。』 と言って歩き始めた。
後ろを追うように、歩く彼は、桜の木よりも彼女の手元へ目が行っていた。
手をつなぎ、歩こうと思っていたからだ。
そして彼が彼女の隣りに並んだ瞬間に、彼女の手を握る。
彼女は、何も言わず手を握り返した。
会話は、しないがお互いに何かを確かめ合うように、手をつなぎ歩いて行く。
2人の足を止めたのは、手元に咲く桜だった。
その咲いた桜を見ながら彼が『綺麗だね。』
そう言うと彼女は『うん』とだけ言葉を返した。
2人は、桜を見に行く約束をしていた。
昨日より、今日…2人の間に新しい展開が必要だろうと
思いながら彼は彼女を待っていた。
彼の姿を見つけた彼女は、挨拶より先に
『桜、咲いたね~。』 と言いながら彼の所まで、やって来た。
彼は、落ち着いた様子で『うん。咲いたね。向こうまで歩こうか?』
そう言うと、彼女は一言『そうだね。』 と言って歩き始めた。
後ろを追うように、歩く彼は、桜の木よりも彼女の手元へ目が行っていた。
手をつなぎ、歩こうと思っていたからだ。
そして彼が彼女の隣りに並んだ瞬間に、彼女の手を握る。
彼女は、何も言わず手を握り返した。
会話は、しないがお互いに何かを確かめ合うように、手をつなぎ歩いて行く。
2人の足を止めたのは、手元に咲く桜だった。
その咲いた桜を見ながら彼が『綺麗だね。』
そう言うと彼女は『うん』とだけ言葉を返した。
タグ:春 恋 桜 小説
恋春 その5 [恋春]
冷たい雨が降る4月
駅で2人は、待ち合わせをしていた。
先に着いた彼女は、濡れた傘を、たたみバックの中へしまう。
そして間もなく、彼が走って来た。
『待った?』
肩で息をしながら、彼は彼女へ聞く
彼女は、笑顔で『私も今着いた所。』
そう言うと、空を見上げて甘えた声で
『雨降ってるねー』と続けた。
彼は、『うん~』と残念そうな顔して、彼女と一緒に空を見上げる。
そんな彼の顔を見た彼女は
『私は、雨嫌いじゃないんだよね。そろそろ、行こう。』
そう言って、彼の差す傘へ入り歩き出した。
冷たい春の雨は、周りの音を消しながら2人へ落ちて来る。
春の足音を立てながら、ただ…ただ、真っ直ぐに
駅で2人は、待ち合わせをしていた。
先に着いた彼女は、濡れた傘を、たたみバックの中へしまう。
そして間もなく、彼が走って来た。
『待った?』
肩で息をしながら、彼は彼女へ聞く
彼女は、笑顔で『私も今着いた所。』
そう言うと、空を見上げて甘えた声で
『雨降ってるねー』と続けた。
彼は、『うん~』と残念そうな顔して、彼女と一緒に空を見上げる。
そんな彼の顔を見た彼女は
『私は、雨嫌いじゃないんだよね。そろそろ、行こう。』
そう言って、彼の差す傘へ入り歩き出した。
冷たい春の雨は、周りの音を消しながら2人へ落ちて来る。
春の足音を立てながら、ただ…ただ、真っ直ぐに
タグ:恋 春 小説
恋だから・・・春だから・・・ その4 [恋春]
付き合い、始めた2人の距離は、近くなった事は間違いない事実だが
一定の距離まで近づいたまま、平行線状態で時間だけが流れていた。
まだ冷たい風がふく春の休日。
彼女は、彼を遊園地へ誘う。
まだ、入場者も、まばらで静かな遊園地…
彼女は、好きでも無いお化け屋敷に彼を誘った。
寒いせいも有りポケットに手を入れる彼。
街の中で、とっさに握った手を懐かしく感じながら
彼女は彼の袖をつかみ、お化け屋敷の中に進む。
出口まで来たが結局、彼の手は自分のポケットに入ったままだった。
彼が笑顔で『お化け屋敷なんて子供の頃以来だよ~!
子供の頃、怖かったけど、今日は、大した事無かったよ。俺も大人に成ったのかな~?』
と笑って見せた。
笑顔の彼が隣りに居るのに
彼女は寂しさを感じなが、彼に笑顔を見せた。
一定の距離まで近づいたまま、平行線状態で時間だけが流れていた。
まだ冷たい風がふく春の休日。
彼女は、彼を遊園地へ誘う。
まだ、入場者も、まばらで静かな遊園地…
彼女は、好きでも無いお化け屋敷に彼を誘った。
寒いせいも有りポケットに手を入れる彼。
街の中で、とっさに握った手を懐かしく感じながら
彼女は彼の袖をつかみ、お化け屋敷の中に進む。
出口まで来たが結局、彼の手は自分のポケットに入ったままだった。
彼が笑顔で『お化け屋敷なんて子供の頃以来だよ~!
子供の頃、怖かったけど、今日は、大した事無かったよ。俺も大人に成ったのかな~?』
と笑って見せた。
笑顔の彼が隣りに居るのに
彼女は寂しさを感じなが、彼に笑顔を見せた。
恋だから・・・春だから・・・ その3 [恋春]
遠い存在だと思っていた彼が、近い存在に成り彼・彼女の関係が始まる。
お互いの話を沢山して、今まで知らなかった彼の事も知る事が出来た。
2つ年下の弟が居る事。
餃子が得意な、お母さん。釣り好きな、お父さん。
そんな4人家族で暮らしている事など・・・。
好みの女性のタイプなども聞き、好みの女性へ近づこう努力している自分もいた。
付き合い始めたばかりの2人は、お互いに相手の気持ちをさぐりながら言葉を選び
話しているのを、お互いに感じながらも
2人の会話は尽きる事が無かった。
彼の事を知るたびに自分で思っていたイメージと、大きな差が無い事に安心もしたが
意外な一面も有って欲しいと、どこかで期待していた。
付き合って間もない彼女は、独り占めしたい気持ちを、ストレートに表現出来ず
しばらく時間が流れて行く。
そんな、ある日
2人が人混みの街を歩いていると彼は、彼女の手を握り足早に横断歩道を渡った。
横断歩道を渡り終えた所で彼は、立ち止まり彼女へ一言。
『ごめん』
そう言って彼女と、つないだ手を離した。
彼女は、心の中では謝らないで。と思ったが、口から出た言葉は
『信号。赤に成る所だったもんね。
私、歩くの遅いから…こっちこそ、ごめんなさい。』
この時、自分の気持ちを伝えるには、もう少し時間が必要だと彼女は感じていた。
お互いの話を沢山して、今まで知らなかった彼の事も知る事が出来た。
2つ年下の弟が居る事。
餃子が得意な、お母さん。釣り好きな、お父さん。
そんな4人家族で暮らしている事など・・・。
好みの女性のタイプなども聞き、好みの女性へ近づこう努力している自分もいた。
付き合い始めたばかりの2人は、お互いに相手の気持ちをさぐりながら言葉を選び
話しているのを、お互いに感じながらも
2人の会話は尽きる事が無かった。
彼の事を知るたびに自分で思っていたイメージと、大きな差が無い事に安心もしたが
意外な一面も有って欲しいと、どこかで期待していた。
付き合って間もない彼女は、独り占めしたい気持ちを、ストレートに表現出来ず
しばらく時間が流れて行く。
そんな、ある日
2人が人混みの街を歩いていると彼は、彼女の手を握り足早に横断歩道を渡った。
横断歩道を渡り終えた所で彼は、立ち止まり彼女へ一言。
『ごめん』
そう言って彼女と、つないだ手を離した。
彼女は、心の中では謝らないで。と思ったが、口から出た言葉は
『信号。赤に成る所だったもんね。
私、歩くの遅いから…こっちこそ、ごめんなさい。』
この時、自分の気持ちを伝えるには、もう少し時間が必要だと彼女は感じていた。
タグ:小説 春 恋
恋だから・・・春だから・・・ その2 [恋春]
思い続けていた。彼が今、目の前に立っている。
真っ直ぐ彼の目を、見たが照れてしまい直ぐに目を、そらしてしまった。
そんな2人に、しばらく間があいて、彼が言った。
『前から、伝えるつもりだったけど、俺。
君の事が前から好きで…
だから、付き合ってくれないか?』
余りに唐突で、驚きだけが強く、また彼の目を直視した。
お互いに目を見つめたまま、2人の時間が流れる。
そして彼が何かを話し出そうと、した瞬間。
『うん。』と、だけ言ってうなずき、彼女は返事をした。
この時、2人の距離が、近づくために必要だった
時間・言葉は、こんな物だったのか?と、彼女は拍子抜けさえも感じていた。
それでも、心の中に有った雲は、一気に消え去り
青空が広がって行く。
爽やかさを感じながら、笑顔がこぼれた。
彼の笑顔を見て自分も、こんな笑顔を見せてるんだろうと
自覚しながら、また笑った。
笑顔の後には、独り占めしたくなっている自分がいた。
真っ直ぐ彼の目を、見たが照れてしまい直ぐに目を、そらしてしまった。
そんな2人に、しばらく間があいて、彼が言った。
『前から、伝えるつもりだったけど、俺。
君の事が前から好きで…
だから、付き合ってくれないか?』
余りに唐突で、驚きだけが強く、また彼の目を直視した。
お互いに目を見つめたまま、2人の時間が流れる。
そして彼が何かを話し出そうと、した瞬間。
『うん。』と、だけ言ってうなずき、彼女は返事をした。
この時、2人の距離が、近づくために必要だった
時間・言葉は、こんな物だったのか?と、彼女は拍子抜けさえも感じていた。
それでも、心の中に有った雲は、一気に消え去り
青空が広がって行く。
爽やかさを感じながら、笑顔がこぼれた。
彼の笑顔を見て自分も、こんな笑顔を見せてるんだろうと
自覚しながら、また笑った。
笑顔の後には、独り占めしたくなっている自分がいた。
「恋だから・・・春だから・・・」 恋春(こはる) その1 [恋春]
フィクション『恋だから…春だから…』 恋春(こはる)
外を歩いても、食事をして居ても…
思う事が有る。
隣りに、あなたが居てくれたら、もっと楽しいのにと…
一緒に、並んで歩いてみたい。
一緒に、美味しい物を食べたい。
そんな思いを、あなたへ伝えるには
『好き』の言葉を何万回使えば伝えられるのだろうか?
どれだけの言葉を飾り
何十時間、向きあって話をすれば伝えられるのだろうか?
考えるたびに、胸が締め付けられ、涙が溢れて来る。
ただ、あなたが好き。それだけなのに…
いつまで、この状態が続くのだろうか?
今の思いを伝えてしまえば、楽に成るのだろうか?
結果は、どっちにしても今よりは楽に成るのかも知れない。
結局、何も出来ず季節だけは春を、迎えていた。
そんなある日。雪溶けの中に咲く花のように、あなたは
私の前に立っていた。
外を歩いても、食事をして居ても…
思う事が有る。
隣りに、あなたが居てくれたら、もっと楽しいのにと…
一緒に、並んで歩いてみたい。
一緒に、美味しい物を食べたい。
そんな思いを、あなたへ伝えるには
『好き』の言葉を何万回使えば伝えられるのだろうか?
どれだけの言葉を飾り
何十時間、向きあって話をすれば伝えられるのだろうか?
考えるたびに、胸が締め付けられ、涙が溢れて来る。
ただ、あなたが好き。それだけなのに…
いつまで、この状態が続くのだろうか?
今の思いを伝えてしまえば、楽に成るのだろうか?
結果は、どっちにしても今よりは楽に成るのかも知れない。
結局、何も出来ず季節だけは春を、迎えていた。
そんなある日。雪溶けの中に咲く花のように、あなたは
私の前に立っていた。