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恋春   その7 [恋春]

「最初の1ページ」





街を照らしていた桜も散り

葉桜となっていた。

そんなある日、2人はアルバムを買いに出かける。

初めて2人が一緒に入った写真を、入れるため・・・


彼女が、一つのアルバムを手に取り

「コレ。かわいいね~

色違いで2冊買っちゃう?」

と彼に問いかけると彼は

「とりあえず、1冊でいいんじゃない?」

冷めた感じで答えた。

彼女は

「ん~じゃぁ~どっちにしようかなぁ~」

と真面目な顔をして迷ってしまう。

迷ってる彼女を見た彼が軽く笑いながら

「これから、写真は増えて行くんだから

2冊目に、もう片方を買えばいいよ。」

その言葉を聞いた彼女は

「そうだね!」

と言い終わるより早くピンクのアルバムを選んだ。



桜をバックに2人で撮った一枚目の写真が

ピンクのアルバムの1ページ目に入った。

写真を改めて見て彼女は笑い

彼は、まだ写真の入ってないページに

これからの2人を想像して笑っていた。

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恋春   その6 [恋春]

付き合い始めて間もない春。

2人は、桜を見に行く約束をしていた。

昨日より、今日…2人の間に新しい展開が必要だろうと

思いながら彼は彼女を待っていた。

彼の姿を見つけた彼女は、挨拶より先に

『桜、咲いたね~。』 と言いながら彼の所まで、やって来た。

彼は、落ち着いた様子で『うん。咲いたね。向こうまで歩こうか?』

そう言うと、彼女は一言『そうだね。』 と言って歩き始めた。

後ろを追うように、歩く彼は、桜の木よりも彼女の手元へ目が行っていた。

手をつなぎ、歩こうと思っていたからだ。

そして彼が彼女の隣りに並んだ瞬間に、彼女の手を握る。



彼女は、何も言わず手を握り返した。

会話は、しないがお互いに何かを確かめ合うように、手をつなぎ歩いて行く。

2人の足を止めたのは、手元に咲く桜だった。

その咲いた桜を見ながら彼が『綺麗だね。』

そう言うと彼女は『うん』とだけ言葉を返した。



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恋春   その5 [恋春]

冷たい雨が降る4月



駅で2人は、待ち合わせをしていた。

先に着いた彼女は、濡れた傘を、たたみバックの中へしまう。

そして間もなく、彼が走って来た。

『待った?』

肩で息をしながら、彼は彼女へ聞く

彼女は、笑顔で『私も今着いた所。』

そう言うと、空を見上げて甘えた声で

『雨降ってるねー』と続けた。

彼は、『うん~』と残念そうな顔して、彼女と一緒に空を見上げる。

そんな彼の顔を見た彼女は

『私は、雨嫌いじゃないんだよね。そろそろ、行こう。』

そう言って、彼の差す傘へ入り歩き出した。

冷たい春の雨は、周りの音を消しながら2人へ落ちて来る。

春の足音を立てながら、ただ…ただ、真っ直ぐに
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恋だから・・・春だから・・・   その4    [恋春]

付き合い、始めた2人の距離は、近くなった事は間違いない事実だが

一定の距離まで近づいたまま、平行線状態で時間だけが流れていた。



まだ冷たい風がふく春の休日。

彼女は、彼を遊園地へ誘う。

まだ、入場者も、まばらで静かな遊園地…

彼女は、好きでも無いお化け屋敷に彼を誘った。

寒いせいも有りポケットに手を入れる彼。

街の中で、とっさに握った手を懐かしく感じながら

彼女は彼の袖をつかみ、お化け屋敷の中に進む。

出口まで来たが結局、彼の手は自分のポケットに入ったままだった。



彼が笑顔で『お化け屋敷なんて子供の頃以来だよ~!

子供の頃、怖かったけど、今日は、大した事無かったよ。俺も大人に成ったのかな~?』

と笑って見せた。


笑顔の彼が隣りに居るのに

彼女は寂しさを感じなが、彼に笑顔を見せた。
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恋だから・・・春だから・・・   その3    [恋春]

遠い存在だと思っていた彼が、近い存在に成り彼・彼女の関係が始まる。

お互いの話を沢山して、今まで知らなかった彼の事も知る事が出来た。

2つ年下の弟が居る事。

餃子が得意な、お母さん。釣り好きな、お父さん。

そんな4人家族で暮らしている事など・・・。

好みの女性のタイプなども聞き、好みの女性へ近づこう努力している自分もいた。

付き合い始めたばかりの2人は、お互いに相手の気持ちをさぐりながら言葉を選び

話しているのを、お互いに感じながらも

2人の会話は尽きる事が無かった。

彼の事を知るたびに自分で思っていたイメージと、大きな差が無い事に安心もしたが

意外な一面も有って欲しいと、どこかで期待していた。

付き合って間もない彼女は、独り占めしたい気持ちを、ストレートに表現出来ず

しばらく時間が流れて行く。

そんな、ある日

2人が人混みの街を歩いていると彼は、彼女の手を握り足早に横断歩道を渡った。

横断歩道を渡り終えた所で彼は、立ち止まり彼女へ一言。

『ごめん』

そう言って彼女と、つないだ手を離した。

彼女は、心の中では謝らないで。と思ったが、口から出た言葉は

『信号。赤に成る所だったもんね。

私、歩くの遅いから…こっちこそ、ごめんなさい。』

この時、自分の気持ちを伝えるには、もう少し時間が必要だと彼女は感じていた。
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恋だから・・・春だから・・・   その2    [恋春]

思い続けていた。彼が今、目の前に立っている。

真っ直ぐ彼の目を、見たが照れてしまい直ぐに目を、そらしてしまった。

そんな2人に、しばらく間があいて、彼が言った。

『前から、伝えるつもりだったけど、俺。

君の事が前から好きで…

だから、付き合ってくれないか?』

余りに唐突で、驚きだけが強く、また彼の目を直視した。

お互いに目を見つめたまま、2人の時間が流れる。

そして彼が何かを話し出そうと、した瞬間。

『うん。』と、だけ言ってうなずき、彼女は返事をした。

この時、2人の距離が、近づくために必要だった

時間・言葉は、こんな物だったのか?と、彼女は拍子抜けさえも感じていた。

それでも、心の中に有った雲は、一気に消え去り

青空が広がって行く。

爽やかさを感じながら、笑顔がこぼれた。

彼の笑顔を見て自分も、こんな笑顔を見せてるんだろうと

自覚しながら、また笑った。

笑顔の後には、独り占めしたくなっている自分がいた。
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「恋だから・・・春だから・・・」 恋春(こはる) その1 [恋春]

フィクション『恋だから…春だから…』   恋春(こはる)



外を歩いても、食事をして居ても…

思う事が有る。

隣りに、あなたが居てくれたら、もっと楽しいのにと…

一緒に、並んで歩いてみたい。

一緒に、美味しい物を食べたい。

そんな思いを、あなたへ伝えるには

『好き』の言葉を何万回使えば伝えられるのだろうか?

どれだけの言葉を飾り

何十時間、向きあって話をすれば伝えられるのだろうか?

考えるたびに、胸が締め付けられ、涙が溢れて来る。



ただ、あなたが好き。それだけなのに…

いつまで、この状態が続くのだろうか?

今の思いを伝えてしまえば、楽に成るのだろうか?

結果は、どっちにしても今よりは楽に成るのかも知れない。


結局、何も出来ず季節だけは春を、迎えていた。

そんなある日。雪溶けの中に咲く花のように、あなたは

私の前に立っていた。
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